2.ライフセービングを始めたきっかけ
渡部:
大学のライフセービング部で、監視員をやったのが初めですよね。でも、色々な部活がある中で、なぜライフセービング部に入ったんですか?
林さん:
ずっと水泳をやっていたので、健康程度に泳ごうかな、くらいの気持ちで入りました。ちょっとおもしろいなと思い始めたのは、2年目に入ってからですね。
渡部:
へえ。入ったばっかりの時はどんなことやっていたのですか?
林さん:
救助の練習ばっかりですね。昼休みも人工呼吸の練習をさせられたり。
渡部:
すごい。本格的だったんですね。僕はライフセービングのこと、ほとんど何もわかっていないんですけど、助けて、助け出した後の応急処置をするイメージであってますか?
林さん:
本当は、事故を未然に防ぐのが大前提なんです。だから「事故を起こさない」ということであれば、水に入ること自体を禁止してしまえばいいわけなんですが。
渡部:
あ、そうか。たしかに、水に入らなければ事故も起きないですね。
林さん:
ええ。ただ、日本では海水浴にしてもレジャーの一環ですし、プールにも入りますから、「事故が起きてしまった時に、一番最初のファースト・レスキューを速く」というのがライフセービングで、そのための練習をしています。
渡部:
(頂いた資料を見ながら)波の特性だとか、救助の方法だとか、海の標識と、色々な知識が必要なんですね。波の流れなんかは、泳ぐ人が知っていたら、事故も減るんでしょうね。
林さん:
そうですね。泳ぐ人が強くなるのが一番です。もともとオーストラリアの方から入ってきたものなので、横文字が多くなってますけどね。
渡部:
僕も小さい頃海で遊んでいて、気付いたら砂浜にいる家族が見えなくなるほど流されていて、急に波も高くなって、「こりゃあ、やばい」と思ったのを覚えています。必死でバタ足して帰ってこれたから良かったですけど、実はそういう怖さも楽しいんですよね。
林さん:
はははは。まあ、そうですよね。それもまた自然で遊ぶ1つの楽しみで。その見極めはやっぱり、監視員の技量と経験で、安全を確保するんですよね。