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いどばた稲毛,2007年7月,対談特集,稲毛のタクシードライバー 尾出昭二さん

 3.胃がん手術を乗り越えて

いどばた稲毛,2007年7月,対談特集,稲毛のタクシードライバー 尾出昭二さん

(対談が終わって、写真撮影をつるかめさんの前で。かっこいいですね!)


渡部:

以前お聞きしましたが、大きな病気になったとか?

尾出さん:

胃がんですよ。ちょうど今から3年前ですね。

渡部:

では結構最近ですね。それまでは、大きな病気はなかったんですか?

尾出さん:

そうですね。健康で、大きな病気はないですね。だから先生に「がんですよ」と告知された時は、目の前が真っ暗になりましたね。でも、2年くらい前から症状が出てたんですよ。マラソンした時に横腹が痛くなるでしょう?ああいう感じの、もっと強いやつですよ。がーっと締め付けるような。なんて言うのかな、もう立っていられないんですよね。タクシー乗っててもね、横になりたい。

渡部:

ええ、それでも仕事してたんですか。では2年間も無理を続けてたんですね?

尾出さん:

2年前はね、痛みがじわじわ来る間隔が、まだ長かったんですよ。10分か15分で直って、また何時間かして痛みがくる。でもその感覚がだんだん短くなってきて、手術する半年くらい前には、もう起きていられなくて、食も細くなりました。食堂で、最初は食べたいなと思って注文するんだけど、半分くらい食べると、もう残しちゃったり。だからラーメンとかうどんとか、食べやすいものに食事も変わっていっちゃって。

渡部:

そうか、麺類の方が、楽なんですね。それで手術したんですか?

尾出さん:

ええ、全摘、食堂からへその下まで切って、全部胃を取っちゃったんですよ。

渡部:

手術前に、先生から訊かれたりするんですか?胃を全部とるか他の方法をとるかとか。

尾出さん:

いえ、私はもう、全部先生に任せていましたから。ただ、全部取るとは聞いていなくて、悪いところを取るとしかね。おなかを開いてみないとわからないですからと言われていて。ただ、「5割ですね」と言われました。

渡部:

じゃあ半分取る予定だったのが、全部取られちゃったんですかね?

尾出さん:

その5割って意味がね、半分取る意味ではなくて、治るか治らないかという、命の意味の5割だったんです。

渡部:

・・・。それはきついですね。

尾出さん:

ええ。一般に、がんの手術は種まきに例えられます。手術をするとがん細胞が飛び散って、血管に入って、それが脳まで行ってしまうと、終わりなんです。そして、手術がうまくいっても、その後転移するか転移せずに治るかは、3年から5年様子を見ないと、安心できないんです。で、手術して、1時に始めて6時ごろ病室に帰ってきました。

渡部:

がんって、本当に大変な病気なのですね。詳しいことを全然知りませんでした。ご家族も大変だったでしょうね。

尾出さん:

もう、気が気じゃなかったでしょうね。お腹を開いて見て、あんまり悪いと、「もうだめだから」って、そのままお腹を閉じちゃうみたいですしね。それも家族はわからないですからね。

渡部:

では、今は3年経って、特に問題はないんですね?

尾出さん:

とりあえずは、ですね。最初は1月に1回くらい検査に行って、血液やCT、エコーなどの検診を受けて3年経ちましたが、特に問題もないですし、気になるところもないですね。一番苦しかったのは、手術して3ヶ月くらいの間ですよ。消化器系統が弱くてね、食べるのが精一杯でした。赤ん坊が食べるような、一握りのおかゆでしたね。

渡部:

ではその間は奥さんが、支えてくれたんですね?

尾出さん:

そうですね。もう時間外までタクシーで働いてくれてね。一人だったらどうなったか、私もよくわからないですからね。

渡部:

僕も1人だから、誰も養ってくれないだろうしなあ(笑)。それで先ほどちらっとお話した役員会というのは、勉強会の役員会なんですけどね、そこではよく、大病は気付かせてくれる良いものだと言うんです。身体を痛めつけるために病気が来るのではなくて、今の悪いところを気付かせてくれるサインで、現状をより良くする良い機会だと言うんです。小さな症状も同じですが、病気をして、何か良く変わったことは、ありますか?

尾出さん:

そうですねえ。早めの手当てが大事ということは、本当に実感しましたね。「ちょっと調子悪いな」と言う人をよく見かけるんですが、「早めに病院に言って検査した方がいいよ!私みたくなっちゃうよ!」と、アドバイスできるようになりましたね。

渡部:

結構見かけますよね。でも、経験した尾出さんが言ってくれるから、説得力があるんですよ。普通に言われても、「う〜ん。でも病院は嫌だな」ってなりますもんね。

尾出さん:

私だって、手遅れと同じだったんです。がんの腫瘍が500円玉くらいの大きさで、それが胃の中で網の目のようになっていたんですから、胃を残せるような状態じゃなかったんです。

渡部:

具体的で、恐ろしいですね。

尾出さん:

逸見さんって言いましたっけ、アナウンサーで亡くなってしまった人も、胃がんだったんですよ。子供もいてさ。胃を全摘したけど、他に転移しちゃってて、だめだった。私も同じ状態だったんです。「脾臓に転移したら脾臓も取り、すい臓に転移してたら終わりだよ」と、医者がかみさんに言っていたようです。

渡部:

ほんと、早めが大事なんですね。この対談を見て、一人でも多くの人が、早めに病院に行って、安心してくれると良いですね。

尾出さん:

本当にそう願っています。私も手術後1年ほどは、仕事も出来ないし、体力もものすごく落ちていて、食事もやっとの状態で、本当に大変でした。でも、内気にならずに、病気に負けずに、1日1日を一生懸命に生きようという気持ちで、頑張りました。

渡部:

私も勉強会でよく聞きますが、本当に心の持ちようが運命をも変えるということを、自分に言い聞かせています。尾出さんが前向きな気持ちで頑張ったことが、本当に立派で、ちょっとやそっとのことで落ち込んだり不快になったりしてはいけないと、改めて思いました。いつも明るく、一生懸命頑張りたいですね。

尾出さん:

そうですね。私の場合は、本当に内気にならず、生きようとしたことが良かったと思います。徐々に外に出るようにして、大好きなボーリングをしたり、仕事もしたりしながら、今では体力も十分につき、元気で頑張っています。この対談を見てくれた人が、たとえ今は病気でも、負けないで頑張って欲しいと、心から願っています。

渡部:

ありがとうございます。きっと今健康でも、たくさんの人が尾出さんに勇気付けてもらえたと思います。ぜひ、いつも明るく、病気を完全に克服してくださいね!

尾出さん:

はい!がんばります!


見出し  1.尾出昭二さんの経歴

      2.タクシーをやっていて、大変なこと、嬉しいこと

      3.胃がん手術を乗り越えて

      4.将来の夢と読者のみなさんへ

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      携帯電話 090-1816-5413 尾出 昭二(おで しょうじ) ※夜20:00〜朝4:00くらいまでです。


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