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2006年12月9日(土) 10:00〜11:00 稲毛パークハウス管理事務所にて

自治会長 兼 管理組合副理事長:佐久間 正勝 様監事(前理事長):渡部 恭久 様
いどばた稲毛♪:渡部代表

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です 稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です 稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

 (左:佐久間自治会長、中央:渡部監事 右:渡部 パークハウス管理事務所にて)



◆はじめに◆

築33年を迎えてなお、人気を誇るマンション、稲毛パークハウス。


自治会は今年で30周年を迎え、月刊誌、 自主サークル、各種イベントなど、564世帯・約2,000人が「自分達の住む場所は、自分たちで良くする」 という誇りを胸に、自然体で動きだすコミュニティ。


「人と人とのつながりを育む」秘訣を、 コミュニティの活性化という視点から、自治会長 兼 管理組合副理事長の佐久間さん、監事(前理事長)の渡部さんにお伺いしました。


◆1. 33年前は田畑、泥道、長靴通勤!◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (左がA棟、右が管理事務所。A棟1階にはお店や自販機もあり、便利だ)


渡部:

パークハウスが建つ前は、ここには何があったんですか?

佐久間自治会長:

北半分は畑で、南半分は水田だったんですけど、田んぼには舟もありましたね。B棟の裏の林は昔からあって、日陰でしたので、冬には凍っちゃってね。下駄に竹を付けて、よくスケートをしましたね。

渡部:

へえ〜。下駄に竹っておもしろいですね。楽しそう♪

渡部監事:

私も聞いた話ですが、当時は通勤も大変だったんですってね。駅まで歩くと、革靴が泥んこになっちゃったとか。

佐久間自治会長:

舗装道路がありませんからね。千葉女子高に行く道は国体のために舗装したけど、他は泥道ですよ。長靴はいて、駅で履き替えましたねえ。

渡部:

それは大変だ。聞かないと、想像できないですからね。

◆2.パークってどんなマンション?◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です 稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (左:自前の幼児公園、右:緑いっぱいの敷地)


渡部:

それでは、まず概要を教えてください。歴史や世帯数、入居者やパークの特徴など。

佐久間自治会長:

築33年で、A〜Gまでの7棟、564世帯、約2千人が住んでいます。約26000uの敷地に、約10000uの建物が建ち、自前の公園2つ、さらに隣接する3つの市の公園も約10000uあって、駅から徒歩12,3分。これだけ恵まれた環境は他にないと思うんですよね。

それだけに、パークハウスは稲毛近辺では特に人気が高いのだと思いますし、管理費も修繕費込みで1世帯当り25000円程度で、周辺より2、3千円高いのかもしれませんけど、それを有効に使って定期的に修繕しているので、とても33年経っているようには見えないと思いますよ。

33年前は高度経済成長の真っ只中で、入居者は皆、35,6〜40歳くらい、同じ価値観で、生活環境も子供の数もだいたい同じでしたね。今は、生まれたばかりの赤ちゃんから90を超す人までいる。昔は社会の一部分だったのが、今は社会の1単位になったんですね。

今は少子高齢化時代、災害弱者という言葉があるけれど、いざという時には「どこに、どんな人が、どういう風にして居るか」を皆が知っていないと、助けることができない。これを、「いざとなったらここに連絡しなさい」と命令形でやっては、コミュニティが成り立ちませんから、ウォーキング、春祭り、夏祭り、ラジオ体操、全棟清掃など、最近ではイベントをたくさん催すことに力を入れて、逆に出られない人がどこにいらっしゃるかも、わかるように工夫しています。

渡部:

「こういう人たちが来てくれたらな」と思ってイベントを開催して、それでも来られない人がいたら、「それなら次はどんなイベントなら参加してくれるかな」と考えていくのですね。

佐久間自治会長:

そう、そうそうそう。たとえばね、「シニアのティータイム」というサークルでバスを借りて、車椅子の方も一緒に、3時間ほどのハイキングをしました。受付をしますから、どの棟の誰かわかる。イベントの中で、自然体でお互いがわかっていく。

今は井戸端が、井戸なんてないからねえ。機会を提供すると、ちょっとしゃれた井戸端会議になりますよね。パークの活動を、読者の方が「これは自分のところでもできるな」と思ってくれたら嬉しいですね。

渡部:

まさにそれがこの対談の狙いなんです!「いどばた稲毛♪」という名前も、昔の井戸みたいに、皆がふれあうきっかけになりたくて付けたのですが、コミュニティがうまくいく秘訣をお聞きして、読者の皆さんが色んなところで生かせたら、と思っています。

佐久間自治会長:

イベント以外でも、階段を上れない人がいるからスロープをつけたり、階段やエレベーターに手すりをつけたりと、日常の行動が楽になるような行動もしています。最初のうちは修繕の必要性がなかったのですが、30年すると経年劣化で、壁が剥がれ落ちたとか、屋上の換気扇を直したとか、大規模修繕も必要な時期に、定期的に行っていますね。

渡部:

特に要望が多いものは何ですか?

佐久間自治会長:

一番多いのは、駐車場やバイク置き場、自転車置き場が足りないことですかね。スペースの問題で、これ以上増やせないんですよ。それをどうやってやるかですね。

渡部:

そういえばケーブルテレビは、ずいぶん前から付いていますよね?

渡部監事:

ケーブルテレビは、平成2年ごろですね。あとは光ファイバーも4社導入し、デジタル放送も受信できる等、充実した設備を整えて、若い世代の方々の入居も大歓迎しています。

渡部:

平成2年というと、15年以上も前ですね。ペットも大丈夫なんですよね?

佐久間自治会長:

ペットは、、、良くないです(笑)。ペットブームがくるなんて最初は思っていなかったものですから、最初は気軽に「小鳥・小型犬程度はOK」としたんです。そしたら、「どこまでが小さいんだ」ということになりましてね(笑) 「俺はこの犬は小犬と思う」なんて言って、飼う人が出てきちゃいましてね。

渡部:

あはは (笑)。確かに出てきそうですね。

佐久間自治会長:

実は10年位前に引っ越そうと思って、不動産屋を何件か回りましたが、「これほど管理がしっかりしたマンションは他にないだろう」という話になって、やめたんです。その時は快感でしたね。

渡部:

そうですよね。そこまでプロに言ってもらえたら、嬉しいですよねえ。

◆3.月刊機関紙『マンスリー・パーク』◆

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  (A棟脇の管理事務所では、30年分のマンスリーパークが閲覧できる)


渡部:

『マンスリー・パーク』、1冊全部読みましたが、読みやすいし、内容も充実していました。そして、たくさんの人と時間がかかっているのだなと、本当に驚きましたよ。

佐久間自治会長:

マンスリーパークというネーミングは、住民の方々の応募で決まったんですよ。内容も色々充実して、読むのは便利だけど、作る方は大変でね。発行には、お金も諸経費込みで年間20万円くらいかかっています。

渡部:

それだけ住民の方々を大切にしているということですよね。

佐久間自治会長:

もちろん大切にしています。コミュニティがうまくいくための条件に、「情報の伝達」があります。住民の欲求や熱望に応えて、「自治会はこんなことをしてるよ」と、どんどん先手を打って伝えると、住民も安心するわけですよ。だから大変な手間だし費用もかかっているけど、僕はパークで何が一番良いかというと、やっぱりこの『マンスリー・パーク』だと思いますね。

渡部:

マンスリーですから、発行したらまたすぐ、来月の作成にとりかかりますよね。大変なことだと思います。

佐久間自治会長:

そう、短い期間で、いかにタイムリーな記事を書けるか。広報部の活躍は素晴らしいですよね。しかも、それを30年間継続して、発行しているんですよ。

◆4.強制でなく、高い意識を刺激する◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です
  (情熱と行動に裏打ちされた佐久間さんの言葉には、心に響く重みがある。)


渡部:

機関誌を例にしてもそうですが、パークという社会では、住みやすい環境を作ろう、近所づきあいも大切にしよう、という住民の方々の意識がとても高いのでしょうね。

佐久間自治会長:

高いと思いますね。自分達が自分達のためにという意識で、やっているんじゃないですかね。ただ意識は高くても、意見や行動の形に表れるのは難しいから、やっぱり役員会や理事会が、これを刺激しなきゃいけませんよね。だから『マンスリー・パーク』で、「こんな風にしたらどうか」という提案をするのです。

渡部:

なるほど。高い意識に加えて、それを上手に刺激するのも、行動につなげるために必要なのですね。

佐久間自治会長:

僕は自信を持っているんだけど、これほど自主的な趣味の会が活躍している自治会は他にないと思いますね。今11サークルありますけど、それぞれが毎月のように色んな活躍をしている。掃除したり、花を植えたり、小さい幼児とお母さん達が一緒に遊ぶとか。自治会は認定して、予算をつけて、事業計画を承認しますが、運営は全部任せているんです。

渡部:

予算も付いて、事業計画まであるんですね。すごいですね。

佐久間自治会長:

そう。「役員になってこれをやれ」って言えば嫌がるけれど、好きなものを好きなようにやれるように応援してあげると喜びますよね。自主的なサークルが多いのは、やはり住民の方々の意識が高いからなんでしょうね。

◆5.「ほんとのこと」と自然に動き出すコミュニティ◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (みんなの憩いの場。一番大きなC棟公園。夜は左脇の道がライトアップ。)


渡部監事:

自主サークルは、昨年から急に増えたんです。そういう意味では、佐久間自治会長の火のつけ方がとてもうまかったんですよ。情熱と思いがないと、こんなにはできません。

渡部:

それはすごいですね。何かコツがあるんでしょうか。

佐久間自治会長:

生まれたばかりの赤ちゃんから90を超える年齢の方まで、どこにどんな人が集まって、どんな欲求があるのか、これを調べたことは事実ですよ。

渡部:

ただ、調べると言っても、簡単なものではないですよね?

佐久間自治会長:

調べると言うのはね、その人たちに接することなんですよ。渡部前理事長に影響されたこともあるし、自分もそういう風に仕事をやってきたけれど、なんでも「ほんとのこと」、事実がなくちゃ、いけませんよね?自分の目で見て、手で触って、自分の耳で聞いたものが事実であって、その中から有効なものが選別されて、情報になるわけですよね。ただ聞いたものが情報じゃないですよね?おじいちゃんが、ぽつんと座っていたら、声をかけてみる。子どもが走り回っていたら、一緒に遊んでみる。非常に単純なことだな。ははは。

渡部:

はは。や〜、単純といっても簡単にできることじゃない。素晴らしいですね!

佐久間自治会長:

接した人たちがやりたいと思っていることを考え出して、「これをグループ化したらどうだい?」と勧めてきたことは、事実ですね。

渡部:

それは嬉しいですよねえ。自分達の活動がもっとしやすくなって、会として続けられて、仲間も増やせるわけですもんね。(・・・これはすごいことを聞いているような)

佐久間自治会長:

そう。そうそうそう。

渡部監事:

色んな情報がまず自治会長に入るというのは非常に良いことで、自治会長から管理組合に、「これ、直せるかい?」と来る。だからまず自治会がしっかりしていないと、コミュニティは成り立たないと思います。

渡部:

きちんとお話を聞いてくれて、実行してくれるから、声が集まるのでしょうね。

佐久間自治会長:

そうだろうねえ。「まさか、やってくれるとは思わなかった」なんて、自分で要望を出していながら驚く人もいてね。

渡部:

ははは。「言ってみたけど、まさか!」って。嬉しいですね!

佐久間自治会長:

そう。聞いて、これはどの程度対応すべきか、行動を起こしたとして、どういう効果が出るか、考えますよね。そしてそれが管理組合の問題か、自治会の問題か、振り分けますよね。管理組合は国に定めた法律に従って規定を守って運営していけば良いのだけれど、コミュニティ(自治会)の方は、境界線がないから、きりがない。でも、どんなことでも聞いてあげるのが大事でしょうね。

渡部:

できるかどうかより、まずしっかり最後までお話を聞くことですね。

佐久間自治会長:

そう。できないものは、「できない」とちゃんと返事して。できるものは、「これはいつまでにやるよ」と、時期と行動をはっきりしてあげれば、安心してもらえるんですよね。そんな風にやってきました。

渡部:

すごいですね。

渡部監事:

「精力的に時間を割くこと」と「何でも聞いて、誠意を持って応じること」がポリシーでしたからね。イベントにしても、今年が一番、参加者が多いんです。ウォーキングだって、去年120人くらいだったのが、今年は160人ですよ。これが、まさに佐久間自治会長が狙っていたことで、サークル同士が一緒に誘い合って参加者が増える、コミュニティの活性化なんですよ。

佐久間自治会長:

自然体で、そうなってきますね。僕は忘れないんだけど、12月2日に、C棟公園に人が集まっていたんです。行って見ると、掃除をする団体と、花を植える団体、両方ともシルバー団体ですが、その団体とキッズ&マザーという団体が一緒にいる。

シルバーさんが幼稚園に行くか行かないかの子どもに、チューリップの球根を植えてあげてね。穴を掘って、球根を植えて、そこにネームプレートを付けて、来年の5月に芽が出るというから、これが楽しみでね。

つまり、自主サークル同士も合体して、自然体でコミュニティができてくる。「小さい子の面倒、見てあげようや」って。小さい子も、「おじちゃん、どうしてこのチューリップの球根にこんな茶色いのが付いてるの?」って、よそのおじちゃんでも安心して聞く。「芽が出るまで土の中にいて寒いから、コート着ているんだよ。あなただって服を着てるじゃないか。5月になったら暖かくなるから、これを脱いで表に出て来るんだよ」なんて、教えててね。

渡部:

ああ〜。いいですねえ。

佐久間自治会長:

今の国の施策の子育て支援というのが、まさに自然体で実現しているんですよ。これが非常に楽しい光景でして、自分が一番望んだ形だったですね。これは嬉しいねえ。

渡部監事:

小堺さんという公園の仲間のリーダーがいて、この方は個人でも自主的にC棟公園を掃除されているんです。自分達の住んでいるところを自分達で良くしようという気持ちから出ているんですよ。強制されていないんですよね。

渡部:

自分達の住む場所を自分達で良く、誇りでしょうね。素晴らしいです。

佐久間自治会長:

そう、自分達の楽しみでやっているんですよ。

渡部監事:

2年前には、「公園の清掃なんて、したくありません。お金を払ってでも、市にやらせてください」なんて意見も出たんですよ。自主的に清掃することによって、市から補助金ももらっていて、自治会の収入に貢献しているのですが、強制じゃだめなんです。 佐久間自治会長は、皆のやる気を出すプロなんですよ。

佐久間自治会長:

まあ、べつに術があるわけじゃないんだけど、まず第一がフェイス・トゥー・フェイスですよね。そういう機会を重ねることによって、信頼感や安心感が生まれてくるんじゃないかなあ。そうすると、コミュニティは自然と動き出しますよ。

渡部:

なるほど。これからどんどん、活発になっていきますね。

佐久間自治会長:

活発になると、行き着くところに、心配なのは事故や怪我ですよね。ウォーキングで160人もの人が参加した場合、どうやって管理するかと、組織としての責任がありますからね。今年は6つくらいの班に分けて、係りも作って計画上は安全なようにしていますけどね、事故や怪我なんていうのはね。

渡部:

そうですよねえ。

◆6.プラス・アルファ◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です 稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (左:カラスも断念のゴミ置き場、右:バイク置き場は安全配慮で、駐輪場と分離)


渡部:

佐久間自治会長たちが、自然体を大切に、事実に基づいて、精神誠意の対応をされてきたことは、私もとても大事なことだと思いますが、それでも2年前以前と違って、最近の急激な隆盛を考えると、まだ何か秘訣があるような気がするのですが。何なのでしょうか?

佐久間自治会長:

う〜ん。まあねえ。一応毎年、「管理組合、自治会はこういうことをする」という決まったことがあるんです。決まったことは引き継いで、きちんとやってきたわけです。

渡部:

そうですよね。皆さん昼間は働いていたり、忙しい中で一生懸命きっちりやってこられたわけですよね。そうすると、決まったこと以外のプラスアルファの部分なんですね。

佐久間自治会長:

そうですねえ。やっぱり決まったことをやるにしても、やはり顔が見えなくちゃできないよね?

渡部:

う〜ん。顔が見えないとよくわからないし、すごくやりづらいでしょうね。

佐久間自治会長:

そうですよね。だから例えば、「回覧が遅い」、「私だけ掃除してあの人は出てこない」、「私は役をやりたくない、どうしてもと言うなら、自治会を辞める」などと、どんどんマイナスな方向へ考え方が走っていくのは、プラスアルファがないからなんですね。

渡部:

なるほど。わかってきました。

佐久間自治会長:

何でもそうだけど、いつも違ったこと、プラスアルファを考えていないと、組織は遅れていってしまうんですよ。同じことを続けることは、安全なようでいて、実は時代遅れになるのです。そういうことが大事なのではないですかねえ。

◆7.「忙しいから」vs「気楽さ」◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です
  (背の低い木に変えて整備、路上駐車の撲滅と視界の良い駐車場を実現!
   緊急車両の出入りもスムーズになりました。)


渡部:

皆さん昼間お仕事をして、平日の夜や土日で活動をする。なかなかできることじゃないですよね?

佐久間自治会長:

僕が20年前に3年ほど自治会長をやった時は、もっと忙しかったよね。若いから仕事持ってるしさ。でもやれた。かつて事務局長が宣言したんですよ。「忙しいから役を辞退する、忙しいからという理由は辞めよう!」と。

渡部:

ああ、いいですねえ!そうですよね。皆それぞれ事情もある。

佐久間自治会長:

できる範囲のことをやれば良いのであって、それが気楽さを生んで、コミュニティの発展になるんじゃないのかなあ。苦労はないですよ。人とちゃんと会っていればね。それが原点だと思いますね。

渡部:

人と会うことって、自分の力にもなりますよね。楽しい、良かったって。

佐久間自治会長:

いどばた稲毛♪も、ちゃんと会ってやっているわけでしょう?

渡部:

はい。どんな小さな記事でも、必ず会って載せるようにしています。この前も、主婦の方々から掲載希望のメールをいただいてお会いしたのですが、やっぱり勉強になって、楽しくて、良かったですね。

佐久間自治会長:

画面だけが人生になっちゃうとまずいけどな(笑)

渡部:

(笑)そうですね。私もいつも、「インターネットはきっかけでしかない」とお話しますし、私自身も外で人とお話することに、ほとんどの時間を使っています。「人と人とのつながり」は、画面では育めませんから、会ってお話しすることを大切にしています。

佐久間自治会長:

だけど、そういう見ず知らずの人から連絡してもらえるのは、嬉しいよねえ。

渡部:

嬉しいですねえ!まず、「見つけてくれた」嬉しさが最初なんですよね。そして「会えてお話できた」嬉しさ。仲良くなれれば最高ですね。

◆8.自治会誕生のきっかけと発展◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です 稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (A棟7階からの眺め 左:稲毛駅方面、右:市立千葉高校は建て替え工事中)


渡部:

自治会を作ろうと思ったきっかけは、何ですか?

佐久間自治会長:

入居してから、周りの土地が地盤沈下で40〜50センチも沈んでいっちゃったんです。「今後、どれだけ沈むかわからないし、こんな説明はなかったぞ。デベロッパーに向かって行こう」と住民が一致団結したのがきっかけです。同じようにマンションを購入して、同じ目に遭っている人たちが、「我々の資産を守ろう」、「契約に対してきちんとしていこう」と団結して、自治会を作ったんです。目的がコミュニティじゃなかったですね。だから、すんなり立ち上がりましたね。

渡部:

今のような自治会の活動に変わったきっかけは、何かあったんですか?

佐久間自治会長:

実際に皆が集まるとね、やっぱり色々と出てきてね。ただ昔の方が知恵があって、サークルももっとありましたね。まだ若い女性が婦人部を作ったり、体育部もありましたしね。草野球チームも立ち上げましたね。昔の方が、部の活動が多かったね。

渡部監事:

昔は管理組合がまだなかったから、自治会が木を植えたり、全部やっていたんですよ。そこにある20年誌に書いてあるけどね。最初はやっぱり、生活に直接関わるような問題がたくさんあったからね。

佐久間自治会長:

皆ほんとに忙しかったから、皆「忙しい」って言わなかったですね。役員の順番が回ってきても、「じゃあ俺、今度はこれやるよ」って。

渡部:

すごいですねえ。

佐久間自治会長:

今は年間契約で植栽屋に任せているけれど、昔は全部自分達でやってね。翌日、会社に行ってペンが持てなくてね(笑)

渡部:

そういう辛さって、楽しくもあるんですよね。

佐久間自治会長:

「となりぐみ」的な、井戸端会議的なものが、昔はあったよね。ただ、今のほうが良いと思いますよ。

渡部:

へえ。どんなところがですか?

佐久間自治会長:

今は情報が多くて、色んな生活の楽しみ方も増えて、その中で有効にやっているわけですから。以前は皆固まってやっていたわけですけど、逆に言えば、集まる場所が他になかったんです。自由になったってことですよね。

渡部:

自由かあ。なるほど。そうですねえ。

◆9.今後の夢◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (高齢化に対応して、車椅子でも通れる勾配12分の1のスロープを設置)


渡部:

パークハウスで、今後実現したいことを教えて下さい。

佐久間自治会長:

コミュニティで大切なことは、防災・防犯ですね。防災に対しては災害弱者をまず最初に救出して、安全な場所に連れて行く。防犯に対してはセイフティ・ウォッチャーで子どもを守る。安心できる町、これが一番ですね。

渡部:

楽しみの方は順調なので、防災・防犯の方に力を入れていくということですね。これが一番、やりたいことなのですね?

佐久間自治会長:

そうだね。益々連帯感を強くして、弱者に対して行動できること。

渡部:

前理事長はいかがですか?

渡部監事:

費用対効果は考えますけど、不都合なところを直して、皆さんが生活しやすいようにしていくこと。中も外も30年のわりに綺麗ですから、若い人もどんどん、入居してきて欲しいと思いますね。

佐久間自治会長:

増えゆくシルバーが安全に住める町が、だんだん実現しているんですよ。灯りを設置して暗闇をなくしたり、集いの場である公園の一つを、幼児公園に作り変えてくれたり。自治会、つまりコミュニティの要求を、管理組合が設備投資してくれたわけです。管理組合と自治会は表裏一体、両輪で、しかも同時なんですね。集い・生活を楽しむにしても、場所がなければ、あるいは不便であれば、できないわけですよね。

渡部:

なるほど。自治会と管理組合、そして住民の方々の協力が、パークの強みなのでしょうね。

佐久間自治会長:

今、弱者救済という視点での渡部さんの提案でね、「管理組合の2階の和室に大きなテレビを置いて、皆の憩いの場にしよう、家で一人でテレビをみているよりは楽しいじゃないか」と。私もこれには大賛成でね、ぜひ近いうちに実現したいと思っています。ただ、2階なので、ホームエレベーターを付けたいと思いますけどね。やっぱり最大の目標は、年をとっても安心できる町。

渡部:

そうですね。長く住めること、良いですね。

佐久間自治会長:

本来、土地・建物を保全するのが管理組合理事長の最大の役目なんですよ。にもかかわらず、渡部前理事長の2年間やったときのコンセプトはね、「一人は皆のために、皆は一人のために」というのが歌い文句で、その時の自治会長のフレーズは、「パークに住んでよかったなあという想いを、ここに作ろう」ということだったんですよ。それを僕が引き継いだだけなのです。

渡部監事:

話ができないっていうのが一番寂しいんですよ。だから「集って、何でも話ができて、また帰る」というようなことが自然にできて、お互いに助け合えたら一番良いと思うんですよね。

渡部:

今後の夢をお聞きしましたが、現在の達成度はどれくらいですか?

佐久間自治会長:

12月2日の例のように、それぞれに立ち上がったグループが、一緒になって遊ぶ。これがコミュニティの理想形ですよね。地域の子どもを地域の親が見守り、子どもは地域の親に育てられる。かなり実現できていますね。防災訓練でトン汁を出すコミュニティもあるそうですが、今後は私たちも複数の目的を組み合わて、参加しやすくて楽しいイベントを増やしていきたいですね。

◆10.読者の皆さんへ◆

稲毛パークハウス 2006年12月対談特集の写真です

  (C棟公園の花壇にはお花がいっぱい。来年5月に咲くチューリップが楽しみ♪)


渡部:

では、いどばた稲毛♪の読者の皆さんに一言、お願いします!

佐久間自治会長:

お互いに見学し合いましょう。

渡部:

ああ、いいですねえ。今度はコミュニティ同士のつながりを、ということですね。

佐久間自治会長:

そう、コミュニティ同士のコミュニティ、をね。

渡部:

最後にせっかくですから、パークの住民の皆さんに一言、お願いします!

佐久間自治会長:

もっと、外に出ましょう!

渡部監事:

素晴らしいですね。同じです。一人で家の中にいないで。

佐久間自治会長:

一人住まい、閉じこもりが多くなってきているけど、それは自分の場所がそこだけだと思っているんだよね。だけど、共同生活をしているんだから、この道もあなたのもの、この公園もあなたのものなんです。いつでも自分のものなんです。

渡部:

居場所ですよね。

渡部監事:

それにやっぱり外に出るとね、健康になりますよ。いろんな意味でね。

渡部:

どうもありがとうございました。とっても楽しい対談になって、嬉しいです。

渡部監事:

ありがとうございました。

佐久間自治会長:

はい。ありがとうございました。おつかれさま!