高野さん(左)、福原さん(中央)、渡部(右)
福原校長:
今日は情報交換と、色々なつながりが持てれば良いなと思っています。 地域活性は非常に大事で、私も非常に関心があります。
渡部:
ありがとうございます。まず初めに、福原さんの現在の活動内容を教えて下さい。
福原校長:
今、NPOの活動で、いどばた稲毛♪さんにも掲載させてもらっていますけど、不登校・引きこもり・ニート支援対策として、月1回定期相談会のイベントをやっているんですね。参加しやすいようにということで、参加費は500円でやっています。
渡部:
(資料を見ながら)「高校認定」とありますけど、千葉大和ネットハイスクールもやってらっしゃるんですよね?
福原校長:
やってますよ。さっきお渡しした名刺が、その学校のものです。(千葉大和ネットハイスクール 通信制高校Webサポート部門 ジョブトレーニングスクール併設校)
渡部:
先日、美浜区の倫理法人会に参加させていただいた時に、千葉大和高等学院(通信制サポート校)の後藤康夫先生の講演を聞きまして、後藤先生の生徒さんの中には社会人の方も10%ほどいらっしゃるとのことでしたが、福原さんの学校はいかがですか?
福原校長:
ここも、後藤先生の流れで、あるんですよ。通信制高校(提携先)になりますので、基本的には中卒以上であれば、どなたでも入学して、高校資格をとることができます。この学校とはまた別になりますが、カルチャー講座もやっています。韓国語講座ですとか、私韓国ドラマが好きなものですから(笑)
高野さん:
冬ソナとかですよね(笑)
福原校長:
韓国ドラマに興味があるお母様方も多いと思いまして、もう5ヶ月ほどやっているんですけれども、1回当たり1,000円です。韓国の標準語を話されている先生がやっています。
渡部:
それは韓国のドラマを見ながら、韓国語も身につけられるという講座ですか?
福原校長:
いえいえ、普通の語学の講座です。
渡部:
1,000円というのはいいですね。だいぶ参加しやすいと思います。
福原校長:
主婦の方々が気楽に参加できればなあと思って。
高野さん:
いきなり会話というと、ハードルが高くないですか?
福原校長:
いえ、高くないですよ。そんな高度な会話ではなくて、トラベル韓国語という感覚でやっていますので。ただなかなか人が集まらないですね。
渡部:
そうなんですか。
福原校長:
今どういうものがどういう人たちに人気があるか、知りたいですねえ。「受講したいけど、ただそうは行っても大学のキャンパスまで行くのは遠くて大変」という方々に、近所にそのミニ版みたいなものがあれば、喜ばれるのではと思っています。
渡部:
ネーミングも大事ですよね。講座の名前や、講座開講の説明会でどう伝えるか。
高野さん:
そうですね。大学では「ミセスのためのスキルアップ英語講座」とか、英会話でも色々な講座がありますけど、ネーミングで惹きつけている部分もありますね。普通に「英会話中級」とかやってもなかなか集まらないようです。
福原校長:
へえ〜、そうなんですね。
渡部:
不登校・引きこもり・ニートを輝く未来に導いていくための会「NPOフロンティアネットワーク」の提携先として、福原さんの千葉大和ネットハイスクールがありますが、こちらはどのような組織ですか?
福原校長:
最終的になぜ我々が「完全解決」という言葉を出してやっているかというと、うちの学校もジョブトレーニングの学校も、EQ、つまり心の力を育てていくということを、共通の考え方でやっているからです。
フロンティアネットワークは情報を公開していく団体組織です。要は、学校やニートの問題にしてもそうですけど、「そういう支援や相談をやっているところはどこなのか」といった時に、あるようでないんですよね。相談が来たとしても完全解決までの流れがない。じゃあ「実際にそこだけで解決していけるのか」というと、たとえば不登校であった子が社会に出た場合、社会に適応できないケースが多いというように、やっぱり流れが、つながりがあるんです。その時に、ここからここの情報はこっち、ここから先はこっちというように組織が別々ですと、問題解決としては非常に難しいのです。
やっぱり解決って起承転結が必要ですね。相談から完全改善に至るまで、個々にあわせた起承転結型カリキュラムの提案を行って、不登校・引きこもり・ニート問題を解決に導いて行くことが必要で、一連のストーリーがあるのです。その起承転結の起の部分を広くしていかないといけないなと思って、私たちは学校や就労支援もやっていますけれども、我々の中だけで情報発信をするよりも、同じ方向性を見ていけるところが一緒になって、最初の起の部分をしっかりとやっていければという考えが、フロンティアネットワークなんです。ここで相談を受けて、各機関との協力体制をとりながら個々のプログラムを提供していく、というスタンスですね。
ですから、フロンティアネットワークですべてというわけではないんです。色々な学校もありますし、引きこもりの方には専門の先生に出張サポートをお願いしたり、不登校・引きこもり・ニート支援対策として、そういった方々が集結しているのがフロンティアネットワークです。
高野さん:
たとえば引きこもりの場合、その引きこもっている人から相談が来るんですか?
福原校長:
そういうことはありえないですね。
高野さん:
ですよね。
福原校長:
その親御さんですね。
高野さん:
問題意識が高いのは、本人というよりもどちらかというと、親御さんなのでしょうか?
福原校長:
いえ、本人とは話をしてみないとわからないですね。親御さんもどれくらい問題意識があるかは人によって様々ですが、少なくとも定期相談会に足を運ばれる親御さんの意識は高いですね。親御さんが相談に来られなければ、ご本人と会うことすらできないですから。
渡部:
完全に自分の部屋から出てこなくて、食事も両親と顔を合わせないようにしているというお子さんの話をテレビで見たことがありますが、引きこもりのお子さんの中には、両親との関係は良好で、両親とは普通にお話できる方もいらっしゃいますか?
福原校長:
ケース・バイ・ケースですよ。
渡部:
実際に、引きこもりの人が自分で足を運ぶことはできないとすると、親御さんからの相談を受けて、その後どう解決につなげていくのでしょうか?
福原校長:
やはりご本人は足を運べないですね。ですから出張という形になります。ただ我々が専門の先生にお願いして出張したとしても、お子さんの心が必ず開かれるかというとそういうわけでもないですね。
渡部:
そうですよね。お子さんに会えずに帰らなければならない場合もあるでしょうね。
福原校長:
そうですね。やっぱりお会いしてみないと、我々が引き受けられる案件かどうかもわからないです。中には病気ということで治療が必要な場合もありますし。そう考えていくと、何か「ん?」と思ったときに、気軽に足を運んで相談を受けられる場所が必要だと思うんです。だから、学校でもなく、ジョブの支援でもなく、カウンセリングとして看板を立てているのでもなく、大きな意味での情報公開をできる場としての形が、NPOのフロンティアネットワークなんですね。
渡部:
たとえばいどばた稲毛♪を普段見てくださっている人が、「ああ、こういうのがあるんだな」と目にしていれば、何かあった時に「フロンティアネットワークに相談してみようかな」となるわけですよね。
福原校長:
まさにそうですね。月一回の定期相談会では、OBやOGの親御さんに来て頂いて、その人達が当時実際にどう考えていて、どう考えを切り替えて、どう解決していったのか、体験談を話してもらったりしています。実際にはその体験に当てはまる人もそうでない人もいますけど、そういう情報が公開されるのとされないのとでは、また全然違うじゃないですか。
渡部:
NPOという形態でこれをやろうとしたのは?
福原校長:
NPOでもどちらでも良かったんですけど、NPOという形態をとらないと、実は行政に対してアプローチをかけられないという、悲しい現状があるんです。我々が補助金をもらいたいからとかそういう話ではなくて、行政に情報を公開してもらいたいんですよ。こういう定期相談会を月1回やっていますよという情報を行政が公開してくれれば、それだけ多くの人が知ることができるわけです。それには、NPOでないと公開してもらえる可能性がない。それが、非常にしんどいところです。また地元のお店に案内を張ってもらうようにお願いをする場合でも、民間では協力してもらいずらいのです。
渡部:
ああ、私も経験がありますので、よくわかります。
福原校長:
ボランティアでも、企業の名前が出てしまうと難しい場合もあるんですよ。
高野さん:
へえ〜、そうなんですか。
福原校長:
お断りの文句が、「民間なので」ということもありますので。NPOは情報を発信するときに、1つのポイントなのかなと思って、NPOの形態をとりました。NPOの方が情報を発信しやすいのは事実です。
福原校長:
いどばた稲毛♪さんでがんがん報道してもらいたいのは、こういった問題が低年齢化していることです。
渡部:
こういった問題というと、不登校の問題ですか?
福原校長:
不登校やニート云々ではなくて、親になってはいけない人が、親になっている問題です。
渡部:
親になるという心の準備がまだできていないという意味で、でしょうか?
福原校長:
そんな生易しいものじゃないんです。子供がブランド品、自分の所有物のようになっているケースが増えているんです。子供のためでなはくて、子供を自分のいいようにしたい、自分のためなんです。自分の思い通りにならないと、虐待したり。
高野さん:
なんで自分の子供をブランドにしたがるのでしょうか?
福原校長:
なんででしょうねえ。
高野さん:
子供には問題は無くて、親に問題があるのかなと、ちょっと思ってしまいますね。
福原校長:
大いにありますね。不登校の問題もある意味同じです。その子供だって、将来親になりますからね。でもこれをいうと、どこまでも続いて行ってしまいますので。子供だけが問題じゃないということ。
渡部:
後藤先生も同じようにおっしゃっていて、事例もいくつかお聞きしましたが、子供だけの問題として不登校などを考えるのではなく、家族の問題がたまたま子供に表れただけということで、家族一丸となって取り組むことがとても重要なのだと、私もやっと理解できました。
福原校長:
そうですね。高校生くらいになってくるば、「親は親、だからあなたはさ」ってお話して解決できる場合もありますけどね。
この問題に対しての情報発信は重要です。しかし、メディアに問題があるんです。重要な話題を、継続して取り上げていかない。しかも我々のような活動は、話題性がないとまず取り上げてもらえない。我々に話題性がありますか?むしろ話題性があったら大変ですよね。派手な一過性の話題が仮にあったとしても、そういう話題ではなくて、根本的な問題を継続して取り上げていくことが必要。
高野さん:
僕はまだ20代ですが、よく「昔の方が良かった」と、教育など様々な分野で聞くわけです。本当に昔はそういう問題ってなかったのでしょうか?
福原校長:
昔もありましたよね。
高野さん:
ただ単に表にでてこなかっただけなのかもしれませんね。
渡部:
いどばた稲毛♪で以前、いったん掲載した記事を削除したものがあるのですが、それは掲示板に批判の書き込みがあったからというのも理由のひとつではありますけど、やっぱり「稲毛の人の役に立ちたい、稲毛の人が不快に感じるようなものであれば、いどばた稲毛♪の存在意義がない」という1点で削除したんですね。いどばた稲毛♪はサイトでも現実の世界でも、「人と人とのつながりを育む良いきっかけとなる」ことを使命にしているからです。
基準が1つになっているということは、ぶれないこと。いつもそういう行動をしていれば、時間をかけて皆さんに理解してもらえると思うんです。そして、「ここはこういう考え方・信念でやってるんだな」と思ってもらえるようになれば、だんだん信頼も深まると思っています。
福原校長:
そうですよね。ですからこういった情報もどんどん流してくださいよ。やっぱり町を活性化するのに、不登校・引きこもり・ニートをぞんざいにしちゃいけないですよね(笑)
渡部:
じゃあそろそろ写真も撮りましょう。トップにでっかく特集に載せますから!
高野さん:
なくなったら困るんじゃないですか?(笑)
福原校長:
いやあ、なくなったほうがいいですよ(笑)だって普通で考えたら、あっちゃいけないでしょう。なくなるのに越したことはないでしょう。本来は国がやらないとだめでしょう。
高野さん:
僕もそう思います。国が何をどうやってるのかなって、思いますね。
福原校長:
やる気のある方もいらっしゃるでしょうけど、やっぱり現場の先生の方がものすごく真剣ですよ。実際に相談も受けているし。ただ学校の先生はものすごく真剣なんですけど、先生ができる範囲というのは決まってしまっていて、どうしても手を出せない部分もあるんですよね。
福原校長:
ところでライブ配信はやらないんですか?お祭りとか、静止画よりも、ライブ配信なら、稲毛以外の人たちも「あ、稲毛っていいな」ってなるんじゃないでしょうか。
渡部:
それ、すごくいいですねえ!
高野さん:
お祭りの雰囲気は静止画じゃわからないよね。
福原校長:
せっかくビデオでとっても、仲間内だけで見て楽しんでいる人もいるんですよね。もちろん撮るのに許可は要るでしょうけど。また音声を入れてニュースなど見る場合には、新聞を読むより早いというメリットもありますね。
だからいどばた稲毛♪さんも、町おこしなので、町の人たち参加型で、近隣の人たちや全国の人たちをも、元気付かせていく。私はニートなどの問題を解決していくきっかけが、いどばた稲毛♪さんの中にも絶対にあるような気がしています。
渡部:
ありがとうございます。ぜひ導入できるように頑張ります。今年中にできれば、という気持ちで1つ心に入れておきます。じゃあ写真撮りましょう。(喫茶店の店員さんにシャッターをお願いする)
福原校長:
シャイなんで(笑)よろしく。 (ここで千葉大和ネットハイスクールの荒木さん登場)
渡部:
あ、ちょうど良いところに。せっかくだから4人で撮りましょうよ!
店員さん:
ハイ、チーズ♪
みんなで:
ありがとうございました!
最後に写真に入ってくださった荒木さん(左から2番目)