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いどばた稲毛,2007年9月,対談特集,ライフセーバー林昌広様

3.世界大会日本代表までの軌跡

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(左は、9/1に行われたばかりの 三洋物産 インターナショナル ライフセービングカップ 2007のパンフ。)

渡部:

やっぱり最初は初心者なわけじゃないですか。初心者から学生選手権優勝、そして日本代表選手のキャプテンと、見たことも経験したこともない大舞台へと上がっていく。その成長に伴って、どんな心境の変化や実感があるのか、ぜひお聞きしたいです。

林さん:

まず大学時代は、競技も救助活動も両方一緒にやっていましたけど、「海岸で活動して練習してたら、知らないうちに強くなっていた」という感じですね。今考えてみれば、ですけど。

渡部:

じゃあ、「ただ毎日の練習を一生懸命に」という感じですね。やっぱりその時々を一生懸命にやることが一番ですかね?

林さん:

そうですね。最初はもう何も知らないで入って、「先輩たちかっこいいなあ」と憧れて、筋力トレーニングをして身体を大きくしたり、一生懸命練習していました。それが試合に出てみたら1年生なのに入賞できて、「意外といいとこいったな」って、びっくりしましたね。

渡部:

2年生になって、おもしろいなと思い始めたのは、どうしてですか?

林さん:

後輩も入ってきて、メンバーも新しくなって、先輩になるとできることも増えてきますしね。比較的自分の考えているやりたいことができるようになってきて。

渡部:

なるほど。訓練以外に、運営面での楽しさも増えますもんね。サークルもそうですしね。学生選手権の時には、林さんはもう注目されていたんですか?学生選手権って、そもそも誰でも出られる大会ではないですよね?

林さん:

大学の選抜チームが出ますね。学内にチームが多ければ、セレクションするわけですけど、拓殖大学は人数が少なかったですから、わりとすんなり出してもらえました。「お前、泳げるんだから、行けよ」って感じで。ただ学生選手権に出たのは4年生の時でしたから、就職活動でもう内定が出ていて、学生選手権が最後だなって思って出ましたね。

渡部:

へえ。では、「就職したら、もうライフセービングはお休みだな」と?

林さん:

「もう無理かな」と思いましたね。ただ、幸いにも優勝してしまって、その年の12月には選考対象選手になってしまって。まさかトップチームに入って、ライフセービングを続けることになるなんて、思ってもみなかったですね。

渡部:

「就職が決まっているけど、優勝したからには続けたいな、どうするか?」と悩みました?

林さん:

6人しか選ばれないんですが、当時のトップチームの皆さんを見ると、自分が選ばれる理由がなかったですね。ただ出会いに恵まれてというか、選考委員の方で自分を買ってくれている人がいて。

渡部:

きっと、将来性を見込まれていたんですね。林さんはもっともっと伸びるぞって。

林さん:

将来性でしょうかね。チームで、他の皆さんがすごかったですから。ここから、本格的にライフセービングの世界へと、就職した会社を辞めて、それから3年間くらいフリーでやって、そして今の総合警備ですね。

渡部:

では3年間は、ライフセービング漬けですか?

林さん:

そうですね、色々と転々としながら、バイトもしながら、ですけど。

渡部:

バイトも、ですか?トップチームというと、スポンサーがいて、もうライフセービング漬けになって、世界各地でトレーニングしたり合宿しているのかと。

林さん:

マイナー・スポーツなので。ライフセービングと言っても、救助活動もあれば競技もありますので、どっちをメインにするかという問題もありますし、スポンサーがどういう風に評価するかという部分もあるので。

渡部:

でも、段々大きな舞台へと上がっていく自分というのは、どんな感じなんですか?

林さん:

最初トップチームに入った時は、自分に自信が持てなかったですね。当時はまだ3位や2位が多くて、優勝がなかったんです。でもその時のチームのキャプテンが強烈な人で、「理由はなんにしろ、選ばれたんだから自信持ってやれよ」と。で、会社を辞める時にも相談をしたんですけど、「救助活動とかボランティアでは食べていけないので、まずは競技で日本一になれ。優勝してから、スポンサーだとかそういう話が来るんだから、頑張るしかねえんだよ」って言われて。

渡部:

そうか、大会というのは、ライフセービングの中でもスポーツの部分ですもんね。

林さん:

ええ。「優勝してから、スポンサーだとかそういう話が来るんだから、頑張るしかねえんだよ」って言われて。バイトも、色々と話を聞いてくれるところを探しました。

渡部:

そうですよね。フルタイムで週5日では、トレーニングできないですもんね。

林さん:

そうですね。だから遅晩にしてもらって朝練習するとか。オープン前のプールをお願いして借りて練習するとか。

渡部:

そういうお願いに行くのも、自分の足でですから、大変だったでしょうね。

林さん:

ええ。色々なコーチの方に相談しながら、ですけどね。

渡部:

「先輩の紹介で」とHPに書いてありましたけど、では総合警備保障さんに就職できたのは本当に助かったんですね。

林さん:

ええ。最初はなかなか理解してもらえなかったですけど、「やりたい」って思いを伝えるうちに、温かいご理解を頂けて。野球やサッカーと違って、なかなかイメージが湧きにくいスポーツで、プロだと言っていても、なかなか自己満足の域を出ないというか。もちろん自分はやっているので、自信もありますし、伝えもするんですけど、社会性を考えた時に勘違いしないようにというか。

渡部:

「勘違いしないように」というのは、「謙虚に」という自分への戒めですよね?

林さん:

そうですね。まあ、強くなればいいんですけど。ただ、働きながらという今の環境は、自分にとっていい環境ですね。働かせてもらって、ありがたいですね。

渡部:

やっぱり壮行会とか、ありますよねえ?スーツ着て、華やかな世界を想像してしまうんですけど、どんな感じでしょう?楽しいですよね?あ、でも大会前だから楽しいはおかしいか。

林さん:

そうですね。唯一評価してもらえる機会というか、まあ気分は引き締まりますよね。

渡部:

それによって日常生活で変わったことって、ないですか?

林さん:

そうですねえ。特にないですけど、意識が強くなりましたね。「今はこれしかないぞ」っていう。

渡部:

意識の強さが、やっぱり上達の一番の秘訣ですかね?

林さん:

そうですね。向上心と、あとは単純に楽しいからですね。楽しさの追求が、向上心になるんだと思います。単純に、波に乗るのが楽しいとか。

渡部:

今、思い出しましたよ。僕は高校の後半は陸上部で5,000メートルの選手でしたが、最初は「走ってて何が楽しいんだろう?」って、自分でもわからなかったですね。

林さん:

ははは。

渡部:

練習も筋トレも少しありましたけど、長距離はあまり筋トレいらないって言われたので、基本は走るだけなんですよね。でも続けているうちに、なんだかうまく言えないけど、走るのも楽しいってわかって、不思議な感じでしたね。そうすると作戦立てたり、目標を持って練習したり、楽しさと向上心が出てきますね。

林さん:

そうですね。機材を使うためには、技術力をあげなくちゃいけないとか。あとは、すごい技をやっている人を見て、「すげえな。あれやってみてえな」と思ったら、それをやるためには、パドル力を付けてとか、体重移動を覚えてとか、で、その身体を支えるためには走らなきゃいけないとか。それがどんどん積み重なっていって、世界選手権とかに出て行くと、外国人選手たちがこういうトレーニングをやっているとか聞いて、それを取り入れたりとか。徐々に意識が高くなっていきます。


見出し  1.総合警備保障さんで現金輸送

      2.ライフセービングを始めたきっかけ

      3.世界大会日本代表までの軌跡

      4.山本整骨院の山本先生について

      5.いどばた稲毛の感想

      6.将来の夢

      7.読者の皆さんへ

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