4.全国初女性ドライバー、子ども110番、サンタさん
渡部:
「子ども110番のシールを張って、何かあった時はバスに駆け込んでもらおうよ」とか、「クリスマスはサンタさんの格好しよう!」とか、当時ですけど、「女性乗務員をうちが全国に先駆けて採用しよう!」とか、こういうのは誰が最初に発案してるのでしょう?
阿部さん:
110番は吉田さんですけど、これも小学校や中学校でPTAをやっていて、「あれ、なんでバスはないの?」って思い付いたものですし、クリスマスのサンタさんは、僕がここに入ってきてまだバスの知識も何もない時に、「なんでバス会社って、クリスマスなのに何もやっていないの?サンタやりましょうよ!」って言って、始めたんですよ。やっぱりこういうアイデアって、「バスだけに意識がこうなっちゃうと、絶対に出て来ないんだろうな」って思いますね。
渡部:
変な言い方ですけど、結果的には利益にもつながるし、良いことだと僕は思っていますけれども、もし利益だけを追求しているような社風・経営者だったら、採用されにくいアイデアだと思うのですよね。この辺り、いかがでしょうか。
阿部さん:
女性ドライバーは、社長がロンドンで、赤い2階建てバスのドライバーを見て、「なんで日本には女性ドライバーがいないんだろう?」って思ったらしいんですよ。
吉田さん:
社長さんたちを募って、全国バス業界の海外研修が、3年に1回とかありましてね。ただ単に視察に行って、「おもしろかったな」で終わらずに、そういうことに気付けるというのは、やっぱりバスの発想ではないからでしょうね。バス会社としてやって、良いことはやると。あとは利益の面だけでなくて、地域の要望によって出来上がっている会社なので、地域の人たちとある程度定期的にコミュニケーションをしていて、地域の人たちにとって何が良いことなのか、それをどう事業に応用できるかを考えたり、提案したりする風土があるのでしょうね。子ども110番にしても、うちの営業所にも実際に駆け込んできた人がいるわけですよ。
渡部:
やっぱりそういう物騒な事件も、実際にあったのですね。
吉田さん:
ええ。サンタは発案した人間が、それを楽しんでやれるというか。お菓子を持って子どもに配って、「喜んでくれて、笑顔が良かったね」とか。
阿部さん:
手紙を書いてくれるんですよ。1日やると、3人くらいからもらえますよ。
渡部:
いいですねえ。ホームページでも今後、紹介していきたいですね。
阿部さん:
紹介したいんですけど、なかなか良い写真がなくて。
渡部:
じゃあ今年は僕に撮らせてください(笑)。
阿部さん:
あははは。いいですよ。
渡部:
あとは、こういう良いアイデアを募集するご意見箱のような役割にも、ホームページがなれたら良いですね。
吉田さん:
いいですねえ。