2.起業当初 激務の中で、何に重点を置くか
馬場:
逆に僕は、今まで起業はしたいなと思っていたけれど、今はそうは思わなくなりましたね。「これもできる、これもやりたい」と色々な仕事が思いつくけど、逆に「これもやらなきゃいけない」もたくさんあるし。
じゅん:
俺もそうなんだよね。「自分で好きなようにできる」の裏返しは、「何でも俺がやらなきゃいけない」だもんね。それが嫌でね。
渡部:
たとえば馬場くんが、「起業したら大変だな」と思うことって何?
馬場:
起業で一番大事なのは信用だと思うんですね。会社員だったら会社自体に信用があるから、会社の信用を得るために営業することはないイメージですけど、起業の場合はねえ。うん。そこが一番大変かな。
渡部:
なるほど。起業した場合、最初は信用なんて何も無いから、その信用作りがいどばた稲毛♪で一番大変だったということかな?
馬場:
うん。実際に営業をしてみて、それが一番グーンと来たというか。営業以外にも、立上げの時期はやることが多すぎて、力が分散されますしね。それが大変ですよね。
渡部:
だから一人で起業しないで、サポートできる人と組めばいいんだよね。
じゅん:
そうそう。サポートは絶対に必要だな。金の管理なんてやりたくないしね。
渡部:
でも金の管理といえば、集金は相変わらず楽しいよ。結構たくさん回るわけだけど、金額にかかわらず、ありがたいなと思うよ。会社員時代も給料は銀行振り込みだし、今は現金が短期間で積み上がっていくことってなかなかないでしょう?
じゅん:
うんうん。
渡部:
そういう意味では、自分の手で領収書と引き換えにお金をもらって、お話をしたりすることは、お金に対する実感が湧くし、ありがたみも湧く。だから無駄遣いしたいとも思わないし。今後たとえ社員を雇うことになっても、月1度は自分の足で、お礼に行きたいよね。自転車で。
じゅん:
なるほどね。逆に今、渡部は面倒くさいと思う仕事は無いの?別にオフレコでもいいからさ。ははは。
渡部:
うーん。基本的に自分に関係のないことだったら、面倒くさいと思えるんだけど、いどばた稲毛♪をやっていて、自分に関係ないことなんてないからなあ。大変だなとか、これ何とかならないかな、ということはあるけど、面倒くさいとは思わないかな。ただ、しばらく技術を学ばなくなった時期はあったよ。気分的にね。
馬場:
それは学ぶ必要がなかったから、ではなくて?
渡部:
そういう風に捉えていた時期もあったけど、やっぱり今は、「大事なことだな」と思う。例えば業界で標準レベルのホームページを作っても、お客さんから見たら不便だったりすることがあるよね。そこで、「お客さんのために、何とかしたい」と思えば、やっぱり本をめくったり、なんとかして実現しようとするじゃない?その中で技術も上がるわけで、お客さんにも喜んでもらえる。だから、こんなこと言ったらお客さんびっくりするかもしれないけど、誤解を恐れずにあえて言えば、この仕事をきっかけに、この技術を勉強しようという場合だって、たまにはある。でもそれで不便や迷惑をかけなければね。皆誰だって最初は勉強するんだからさ。
じゅん:
「知識や技術が全部揃うまで、何もできない」なんて言ったらね、何もできないよ。だって皆、生きてるでしょ?皆、赤ん坊の時は何もできなかったんだから。
渡部:
うん。だから成長を続けることが大事であって、迷惑を掛けないことが大事で、期待を裏切らないことが大事で。その中で儲かってくれば、たとえばカメラを買ったりとか、便利なソフトを買ったりとか、ツールもだんだん良くなって、またサービスの質も上がるという、良い循環が作り出せるわけだしさ。
馬場:
それは間違いないよね。
渡部:
あと僕が思うのは、どんな仕事においても、技術が一番大事だとは思っていない。いどばた稲毛♪が成り立っている一番の要素も、間違いなく技術じゃない。一生懸命身につけようという努力はもちろんしているけどね。
じゅん:
うん。技術が最優先事項ではない、ということだよね。たしかにね。