第24号 『美浜から日本創生 “元気”モーニング通信!』

【第24回】自ら掴む経営エッセンス! [前回6/12講話より]
出席 ⇒ 24社 24名  (記事:いどばた稲毛♪http://idoina.com 渡部成夫 代表)
テーマ:『みどうすじ菌が地球環境を救う』
講  師:東京慈恵会医科大学 医学博士 保科 定頼 氏

実験のお話中が本当に楽しそう!夢や希望を周囲に振りまく明るい保科氏。 地球の課題、ダイオキシン。今、何が問題なのか?

 ダイオキシン。それは、サリンや青酸をも凌ぐほどの強い毒性を持った、223種類もの「有機塩素化合物」の総称。環境汚染はもちろん、人体にも発癌等の悪影響を及ぼす。主に一般廃棄物(家庭のゴミ)・産業廃棄物の焼却によって発生すると推定されており、このダイオキシンの分解(解毒)が今、地球レベルでの課題となっている。


 ところが、このダイオキシンの分解が難しい。もちろん、技術上・理論上は、分解可能なのだが、熱分解は1トン処理に15万円以上、電気分解は数十万円と費用面で現実的でないし、光分解は比較的安価だが表面にあるダイオキシンにしか効果がない。そこで今、実用化に向けて検討されているのが、「ある微生物」に食べさせて分解する方法だ。


 保科氏はなんと、この救世主的存在である微生物の第一発見者だ。
※平成14年12月1日に定められた基準(法律)によって、廃止または休止となる5,373の一般・産業廃棄物処理施設では、  発生させたダイオキシンがそのまま放置されており、現在尚、雨と共にダイオキシンが流れ出している。

大阪で発見したから「御堂筋(みどうすじ)菌」と命名!

  保科氏が1995年に発見したという、このダイオキシンを分解する「ある微生物」というのが、グラム陽性の桿菌・通称「バチルス御堂筋菌」だ。「大阪で発見したので、名前は御堂筋菌にしようかと、仲間と決めました」と、保科氏は笑顔で語る。ダイオキシンを分解することがわかってから、2000年〜2001年には特許を取得。発見は、「偶然だった」という。

  保科氏の元々の専門は、ダイオキシンでも御堂筋菌でもない。保科氏は医学博士で、今から20年前・1987年に、米国NYにあるコロンビア大学に3年間留学し、癌細胞ができる仕組みや、逆に癌が治る仕組みを、細菌叢やDNAを使って分析することで研究していて、当時は環境問題にもあまり関心がなかったという。

  1995年花の万博跡地で、大阪市内の公園等で剪定した落ち葉を堆肥として、近隣に配ったことがきっかけで、土の中に入れておくと、とても良い肥料ができる、おもしろく珍しい菌を発見した。またロシアでは、地面を10キロほど掘った際に、10キロ近くのところで、未知の非常に珍しい菌を見つけた。分析すると、花博で見つけた菌と地中深くにいた菌は仲間同士だった。ここから実験が始まった。

  ふつうの菌は、1番良い条件下でも、2つに分裂するまでに20分かかる。食中毒になったりするレベルは約10時間経った時で、10の5乗(10万個)にも分裂している状態で、18時間(1億個)で分裂が止まる。それに対してこの後に「みどうすじ菌」と名付けられる菌は、7.5分で2分裂し、たった3時間で1億個に達した。そして「試しに」でやってみた実験で、プラスティックをバラバラに分解。「それならもっと分解しにくいものを試してみよう」ということでPCBも分解に成功、さらに驚くべきことにダイオキシンも解毒してしまった。

タバコに、やし油に、牛脂に。「みどうすじ菌」への高まる期待!

   現在、この御堂筋菌の実用化に向けて、様々な条件下でこの菌を働かせられるよう、研究が続けられている。保科氏は「実用化できれば、たばこのヤニとか、トロピカルオイル(やし油)や牛肉の脂身など、発癌促進物質の分解にも応用できる。色々な分野で活躍するのでは」と、未来をとても前向きに描く。地球環境にも日常生活にも生かせる「御堂筋菌」、本当に実用化が待ち遠しい!

ついに30社達成!次回833回モーニング!
日 時:6/19(火) 海浜幕張駅 タリーズコーヒー前 6:00集合
テーマ:自主企画 『海浜幕張駅前 清掃』
講  師:-

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