2007年
4月
第15号
美浜から日本創生
“元気”モーニング通信

【第15回】自ら掴む経営エッセンス! [前回4/10講話より]
(記事:いどばた稲毛♪http://idoina.com 渡部成夫 代表)
テーマ:『私の動物病院』
講  師:海浜動物医療センター 院長 長谷川 正昭 氏

  「猫が風邪を引くの?」と銀行の融資担当者が笑い出す。ほん
 の30年前までの日本は、「動物病院って何ですか?」と言われ
 てしまう時代だった。動物が好きで研修医になった長谷川氏が、
 見習いでは食べていけず、また結婚も自分で資金を貯めてきち
 んとしたいという気持ちから、独立を決意し、銀行に融資の依
 頼に行ったときの話だ。所得も担保もなく、6件すべて断られ
 る。だが国民金融公庫の存在を知り、原稿用紙4枚にわたって
 動物病院の診療内容を説明した結果、ようやく希望額の半分で
 はあったが、開業資金を借りることができた。


 「千葉の田舎の獣医には負けないぞ!」。自分なりに自信があった。開業の翌年には結婚し、家内は割りとのんきで、けらけらしていたが、なかなか流行らない。年も越せない。先輩に借りて何とか年を越す。ある日、一週間前に車に轢かれて足を骨折した犬を連れて、男性が来院してきた。そこで長谷川氏は、ある大切なことに気が付く。


 その日は普段どおり、飼い主を怒った。「なんでこんなになるまで病院に来なかったんだ」と。飼い主は怒って治療を受けずに帰った。



 動物の医療は最高の技術だけでは不足。まず飼い主と動物の関係を最高に。

 長谷川氏は、反省した。飼い主は、治そうと思って来たはずだ。犬は治療できなかった。おそらく助からないだろう。私は患者を失った。飼い主・患者・私、3者共に良いことはなく、私が怒って自分の気が済んだだけだった。自分の動物に対する思いは10だ。でも2の人も3の人も病院に来る。2の人が来たら、私が3まで下りて話をして、3になって帰ってもらおう。そしてまた来てもらい、今度は4になって帰ってもらおう。


 そう決意してわずか2年で、千葉市で一番忙しい病院になった。長谷川氏は言う。「治せる病気でも、飼い主が拒否する場合もある。自分の接し方次第で、飼い主と動物の関係を最悪にしてしまう。十分な説明と治療の必要性を飼い主に訴えて、熱意で治療するしかない」と。


 60歳で60名体制の病院に。理想の病院を作りたい!

 現在56歳の長谷川氏の目標は、60歳で60名体制を実現し、理想の病院を作ること。4大テーマで取組む。
 1.最高水準の診療
 2.夜間・緊急に対応
 3.高度医療に対応
 4.様々な人の悩みを本当に解決できる病院


 長谷川氏は開業してから今までの30年を「とても地味だった」、「自分はいつも1つ遅れてから知る、運も良くはない」、「自分にホームランは打てないから、これからも階段を1つ1つ上がっていくだけだ」と振り返る。日々知識・技術を高め、休日も学会に出て、経営の勉強も行いながら着実に、理想の病院へとつながる階段を上っていく。ところで長谷川氏は美浜区倫理法人会の会員だ。ぜひ毎回MSに来て貰いたい。(会員一同)

ついに30社達成!次回824回モーニング!
日 時:4/17(火) 6時〜7時 +朝食会 ホテルニューオータニ幕張 (043-297-7777)
テーマ:『病気は心の赤信号 -栞7条 疾病信号-』
講  師:(社)倫理研究所 参事 大橋 慶子 氏

千葉市美浜区倫理法人会
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